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首都圏中学入試への提案 ~本来の中学入試のために~
 1990年代のなかばから、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の中学受験者数が年々減少する中で、各私学が少しでも多くの受験生を集めようと入試改革を行ってきました。それは、2002年問題(学習指導要領改訂による学力低下懸念)で中学受験者数が一時回復した後も続きました。
 その結果、今春の入試では1月、2月に入試を行っている287校の入試回数は平均3.7回となり。3日以上の入試日を設定している学校は72%にのぼります。午後入試も46%の学校が実施しています。来年2月の入試に向け、各学校の入試要項が発表されつつありますが、さらに、入試回数や午後入試が増える動きになっています。他の学校が入試回数を増やしたり午後入試を行えば、自分の学校も行わざるをえず、そうするとまた別の学校が行うという悪循環に陥っているように思えます。
 受験生もとりあえず合格を確保したいという心理から、1月中に入試を行う埼玉、千葉の学校をまず受験し、その後2月に入試を行う東京、神奈川の学校を受験するという流れになっています。それも午後入試組み込むために、2月1日午前・午後、2月2日午前・午後と2日間で4回受験をする人もいます。
 また、合格者を早く確保するためにほとんどの学校が当日発表を行こなっていますが、早く採点を終わらせるために採点しやすい入試問題の作成になっているように思われます。入試回数の増加による入試問題の質の低下も感じられます。
 こうした最近の入試方法のあり方に疑問を感じているのは自分だけではないと思います。個々の学校の先生と話をさせていただくと、今の入試のあり方に疑問を感じておられる先生も多いのですが、個々の学校だけの判断では、入試方法を変更することは難しいと思います。私学全体で本来の入試方法のあり方について検討して欲しいものです。もう少し受験生にとっても私学にとっても落ち着いた、まっとうな入試ができるようになって欲しいものです。
そのたたき台にでもなればと思い、入試方法についての提案をしてみました。

=提案=
1.首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の入試解禁日を合わせる。
2.入試日をブロック制にする。
  解禁日初日、2日目をAブロックとしてその中で1回。
  3日目、4日目をBブロックとしてその中で1回。
  5日目以降で原則として1回。
3.試験開始時間を午前10時以降に設定する。
4.午後入試は行わない。
5.Aブロックの発表は3日目以降に、Bブロックの発表は4日目以降に、Cブロックの発表は5日目以降に行う。
6.帰国生入試も一般入試と同時に行う。
7.受験料割引きをやめ、重複同時出願をした受験生が早い回で合格した場合は、返金ないし残金を入学金に充当する。
8.冠入試(東大クラス選抜、特進クラス選抜、躍進クラス選抜、アドバンスクラス選抜等)はやめる。
9.入試結果での特待生選抜をやめる。成績特待生ではなく貸与の奨学生を増やす。

=提案の理由=
① 千葉、埼玉の私学は12月中や1月中の入試実施を既得権とせず、受験生の実態(他の都県にまたがって学校を選んで受験している)を踏まえ、東京、神奈川の私学と入試日程を合わせるべきではないのか。関西では2006年からそれまで別々だった大阪・京都・兵庫の入試解禁日と滋賀、奈良、和歌山の入試解禁日を合わせる統一解禁日が実施されている。
これまで通り、千葉、埼玉の私学が先行して行う場合は、少なくとも手続締め切り日を東京・神奈川の最終手続日に合わせるくらいの配慮があってよいのでは。
②~⑤ 入試回数の際限ない増加を防ぐ。入試回数が減り、また、採点に時間をかけることができれば、入試問題の作成が丁寧になり出題内容を工夫することができる。また、発表までの時間に余裕ができることにより、面接を行いたい学校は面接の復活も可能になる。
多くの受験生が3日目までは受験することになり、じっくりと中学入試を経験できる。
これまで入試日程が前に詰まってきているところから、午後入試が出てきたが、入試日程の詰まりが少しでも解消されれば午後入試は行わなくて済むはず。午後入試がなくなれば、試験時間の開始を送らせることもできる。10時開始になれば受験生の入試当日の朝の負担も軽くなるし、最寄り駅から離れた学校へも受験しやすくなる。4科目入試の学校が14時頃まで試験を行うこともできる。また、他校の午後入試に間に合うように自校の入試時間を短くしたり面接を廃止するという本末転倒した入試のあり方を見直すことができると思う。
⑥ 帰国生入試が青田買いの抜け道になるのを防ぐことができる。試験問題を一般入試と同じ問題にして基準点で配慮するか、帰国生は別問題にして判定するかは学校が判断すればよい。すでに一般入試と同じ日程で行っている学校もある。
⑦ 同じテストを受けているのに、受験生によって金額が違うのはおかしいのではないか。ましてや最近は同時出願すると受験料を割引きするが、1回目で合格した場合、差額の受験料を返金しない学校が増えてきている(1回目で合格した受験生が入学手続をした場合でも)。これは実質的には、受験生側の不安につけ込んだ受験料割高の制度ではないか。
⑧ 中学入試の段階でその後3年間ないし6年間のクラス分、コース分けを決めるほどの差が受験生にあるのだろうか。入試時点の成績がずっと維持される生徒はわずかではないのか。選抜クラスを作るにしても、入学後の生徒の様子を見て中3くらいからが妥当なように思うのだが。結局はクラスの名称で生徒募集をしているだけではないのか。
⑨ 成績による特待生ではなく、家計急変に対応できる無利子貸与の奨学生を増やした方が受験生の安心につながると思う。奨学金は大学入学学後または大学卒業後に本人から返済してもらうようにする。
さらに、学校が金融機関と提携し奨学金ローンを組んで、中高在学中の利子分は、特待生用に用意した原資をあてて学校が利子分を支払うという形はとれないのだろうか。